パパ契約

父親ががんで亡くなった。入退院を繰り返して末期にはほとんど意識がない状態だったので覚悟はできていたのだが、いざ亡くなってみると心にぽっかりと穴が開いたようだった。
数年前には母親もがんで亡くしており、ひとりっ子で独身の僕にこれで血縁はなくなった。
葬儀を終えて遺品を整理していると、子供の頃のアルバムが出てきた。そこには、まだ両親を「パパママ」と呼んでいた頃の自分の幼き日の姿があった。
生前はいろいろとケンカもしたものだが、こんな頃から僕を育ててくれたことは確かだ。援助交際ばかりしている結婚もできないバカな子供に育ってしまったが、学校も卒業させてもらってまっとうな仕事にもついている。そこには感謝しかない。
もう、僕にはパパやママと呼べる存在はいなくなった。
思い出に浸りながら、遺産の相続手続きを終えた僕は、ようやく仕事にも復帰して日常を取り戻した。
お金がない時
そして、さっそくある女の子と連絡を取った。僕とパパ契約を結んでいる女の子である。
娘のような年頃の女の子と、金銭を介した体の関係をしている。もちろん、自分の性欲を満たすことが第一の目的ではあるのだが、それだけではない
「パパ、お手当ありがとう」
僕からお金を受け取った女の子がそう言って喜んでくれる。遺産が手に入った分、女の子にもいつもより色を付けてお金を渡したのだ。
実のパパから受け継いだお金で、パパ契約をするという妙なパラドックスを感じながらも、女の子とセックスする。
その”パパ”という言葉の響きがたまらないのだ。援助交際や愛人契約ではなく、あくまでもパパ契約と言う言葉に拘って性行為をしているのも、心の奥底でパパと言う存在に憧れているからなのかもしれない。きっと、亡くなった父親も、ずっとパパと呼んでほしかったに違いない。
僕は、仏壇に手を合わせながら「パパ、莫大な遺産をありがとう」と冥福を祈った。
ツイッターでオフパコ
セクロス